伝達ミスには注意しよう

看護師は、患者と直接コミュニケーションをとる機会が多い。医師の話や説明で分からない点があった場合や、ちょっとした疑問が生じた場合、患者が最も気軽に話しかける存在は、やはり看護師だ。そのため、医師と患者の間に立ち、コミュニケーションを円滑にする役割を担う看護師も少なくない。

通常、患者とのコミュニケーションでは、患者自身の意思や希望を尊重することが大切になる。しかし、患者本人よりも家族の意見が強く優先される場合もあるので注意が必要だ。特に、患者が幼い場合や高齢の場合には、そういった傾向が強くなる。当人同士が納得している場合には問題ないが、そうではない場合、トラブルになりやすい。医師に直接言えないことや家族間での問題も、看護師には言えるといった患者や家族は多いので、巻き込まれることのないよう、丁寧なコミュニケーションを心掛けることが大切だ。

また、患者とのコミュニケーションで注意したい点と言えば、伝達ミスが挙げられる。伝えるべきことを相手に伝えなかった場合だけでなく、相手に伝わらなかった場合も伝達ミスとなるので注意が必要だ。看護師側がしっかり伝え、患者側から理解したと返答があったとしても、不十分ということもある。時間が経てば忘れてしまったり、実は聞き漏らしている部分があったり、ということは決して珍しくない。

尚、既に分かっている部分や理解していると思っている部分は何かと省略しがちだ。回りくどい言い回しや話が無駄に長くなってしまうことは避けた方が良いが、その結果として、理解に相違が出てしまっては意味がない。患者一人ひとりの理解力に合わせ、丁寧なコミュニケーションをすることが大切だ。